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お客様の保安検査について

成田国際空港をはじめ、日本国内の空港においてお客様の保安検査を行っている実施責任主体はご利用の各航空会社です。

これを聞いて「えっ?」と思った方は多いのではないでしょうか? 実は成田国際空港の保安検査場で行われている保安検査は、私ども空港の設置管理者(NAA)が行っているのではなく、みなさんがこれからご利用になる各航空会社が行っています。

この様な説明をすると「いやいやちょっと待ってくださいよ。保安検査場を通る人は特定の航空会社のお客様だけじゃないじゃないですか。」と質問を受けます。

それではなぜ、お客様の保安検査に係る責任の所在が航空会社にあるのか、その根拠法令等について説明させて頂きます。

そもそも保安検査の目的とは何でしょうか?

そうです、簡単ですね。それはズバリ“ハイジャック・テロ行為を未然に防止すること”

国際線 南側保安検査場 国際線 北側保安検査場 国内線 保安検査場 乗継検査場の混雑時間について 国内線 保安検査場 国際線 南ウイング保安検査場 国際線 北ウイング保安検査場 その為には、航空機に凶器や危険物、爆発物等を持込ませないということがとても重要になります。

そこで航空機に乗る全てのお客様に、保安検査を受けて頂いております。
これによってお客様は安心・安全、そして快適に目的地へ向けて出発することが出来るのです。

それでは保安検査の目的についてはこのくらいにして、この文章の本題である“なぜ、お客様に対する保安検査の実施責任主体が航空会社なのか”について詳しくみていきましょう。 まず始めに、航空法第86条をお読み下さい。

(爆発物等の輸送禁止)
第86条  爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのある物件で国土交通省令で定めるものは、航空機で輸送してはならない。
2  何人も、前項の物件を航空機内に持ち込んではならない。

保安検査を受ける以前に、航空機に乗る方(お客様、運航乗務員、客室乗務員、その他航空機に乗る全ての方)は、危険なモノを航空機に持込んではならないと法律で決まっています。

それでもルールを知らなかったり、勘違いしていたりする為に、うっかり保安検査場に持ってきてしまう方が絶えません。
ハイジャックやテロを未然に防止し、すべての方に安心して航空機をご利用して頂く為、保安検査を受けていただいているのです。

さらに第86条の2では以下の様に明記されています。

第86条の2  航空運送事業を経営する者は、貨物若しくは手荷物又は旅客の携行品その他航空機内に持ち込まれ若しくは持ち込まれようとしている物件について、形状、重量その他の事情により前条第一項の物件であることを疑うに足りる相当な理由がある場合は、当該物件の輸送若しくは航空機内への持ち込みを拒絶し、託送人若しくは所持人に対し当該物件の取卸しを要求し、又は自ら当該物件を取り卸すことができる。但し、自ら物件を取り卸すことができるのは、当該物件の託送人又は所持人がその場に居合わせない場合に限る。

つまり、航空会社はお客様の手荷物等について危険なモノがあると疑われる場合には、航空機への持込を拒絶し取り卸すことが出来ると法律に明記されているのです。またもう少し別の角度からみてみましょう。

日本において航空会社が航空運送業を営む為には、国土交通大臣から“許可(航空法第100条)”を受ける必要があります。

この許可を受ける為には航空会社は各社必ず“事業計画(航空法第100条第2項)”を国交大臣へ提出しなくてはなりません。

その事業計画に記載しなくてはいけない事項として“航空機強取等防止措置の内容(航空法施行規則第210条第1項第7号、同法232条第1項第7号ホ)”と明記されており、この“航空機強取等防止措置の内容”がお客様の手荷物検査を含む保安措置内容ということになります。このことから日本国内の空港におけるお客様に対する保安検査の実施主体、つまり責任の所在は各航空会社ということになります。

したがいまして、お客様の保安検査について責任を有さない空港会社やその他機関にご質問やご意見等を頂きましても、明確にお答えすることが出来ません。この“セキュリティガイド”は成田国際空港から航空機をご利用されるお客様が必ず受けることになる保安検査にまつわる疑問やトラブル等を少しでも減らし、快適に航空機をご利用頂く為に、検査のルールや制限について広く周知をすることを目的として作成しております。お客様の中には困惑される方もいらっしゃるかとは思いますが、保安検査についての質問や検査の詳細については、ご利用の各航空会社へ直接お問い合わせ頂きます様お願い申し上げます。

ちょこっとメモ

航空保安について世界的な流れを少し解説させて頂きます。
民間航空に係る世界的なルールを決めている組織は国際民間航空機関(以下、ICAO)です。このICAOは、1944年に締結された国際民間航空条約(通称:シカゴ条約)を受けて1947年に発足した国連の機関で、日本も1953年に加盟しました。ICAO加盟国は国際民間航空条約及び同条約の18の付属書(ANNEX)に書かれている標準及び勧告を守らなくてはなりません。
日本もこの条約を受けて、航空法並びに航空法施行規則を制定し法整備をしています。特に航空保安に限っていえば、Securityについて書かれているANNEX 17に適合する為、更に詳細な保安措置を規定した「国家民間航空保安プログラム」を策定しています。それらに基づき、具体的かつ綿密な計画を策定・実施し、みなさまに安全を提供しております。

根拠法令等

  • 国際民間航空条約(通称:シカゴ条約)
    • ANNEX 9 “Facilitation”
    • ANNEX 17 “Security”
    • ANNEX 18 “The Safe Transport of Dangerous Goods by Air”
    • Technical Instructions
    • Emergency Response Guidance
  • 国際航空運送協会(IATA) Dangerous Goods Regulations
  • 航空法
    • 第86条(爆発物等の輸送禁止)
    • 第86条の2
    • 第100条(許可)
    • 第106条(運送約款の認可)
    • 第145条(所定の航空従事者を乗り組ませない等の罪)
    • 第150条(技能証明書を携帯しない等の罪)
  • 航空法施行規則
    • 第194条第1項(輸送禁止の物件)
    • 第194条第2項(輸送禁止解除物件)
    • 第210条第1項第7号(事業計画:航空機強取等防止措置)
    • 第232条第1項第7号ホ(事業計画:航空機強取等防止措置)
  • 航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示
    • 第27条(規則第194条第2項第4号の告示で定めるもの別表第18)
  • 国家民間航空保安プログラム
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